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小規模サロンとは
きれいやプラスワンの場合は、自宅の和室だった場所をイチからリフォームして、椅子がひとつだけの小さな美容室を作りました。
テナントを借りることも検討しましたが、予算や自分のやりたい働き方を考えると、思い切って自宅で小規模なお店をした方が良いという結論に至りました。
おかげさまで、貸切美容室を気に入ってたくさんのお客様にお越しいただいております。
一般の美容室には行きにくい車椅子ユーザーさんや抗がん剤治療中の方、発達障害のお子さんなどが県外からお越しいただくこともあります。
福祉美容師としての知識や経験と、貸切&バリアフリーのサロンがあることで様々な状況のお客様を受け入れることができ、個人の小さなサロンとしてはとても大きな強みになっていると感じます。
今まで美容室に行くことができなかった方がお店に来られ、笑顔になって帰って行かれる瞬間は「やっていてよかった!」と思えます。
自宅併設で自由な時間に仕事ができるという面でも、女性美容師さんにおすすめのスタイルです。
とはいっても、ある程度の初期投資が必要ですし、わからないことや不安がつきものです。
実際の経験をもとに、小規模サロン開業までのステップを公開します。
みなさんの参考になれば幸いです。
BEFORE
After
きれいやプラスワンができるまで
きっかけ
以前は店舗を持たず、訪問専門の美容師をしていました。そんな中で病気や障がいなどで引きこもりがちな方たちが、安心して一歩外へ出られるようなきっかけになる場所をつくりたい、と思うようになりました。
また、女性美容師が大きなサロンに所属して、子育てや介護をしながら働き続ける難しさも感じていました。
女性美容師が活き活きと働き続けながら、自分のやりたいスタイルでキレイと笑顔を届けるにはどうしたらいいのか。
考えた結果、自宅で小規模サロンを開設することにしました。
いざ始めようとすると、参考になるような情報がほとんどなく、手探りでの開業準備となりました。
計画
改装前の自宅です。
ごく一般的な6畳の和室でした。
美容室(美容所)を開業するためには、美容師法によって定められた面積基準や施設基準があり(各都道府県によって異なります)、お店の最低限の広さ・最小床面積も定められています。これらをクリアできるように計画を立てなければいけません。
最小床面積(カットなどを行う場所・洗髪場所を除く)は椅子の数によって決まります。
きれいやプラスワンの場合は、滋賀県の保健所に確認をしたところ、椅子が1脚で9.9㎡(約5.4畳)でした。
椅子1脚、鏡、シャンプー台の最低限の設備であれば、6畳程度あれば開業が可能ということになります。
予算
一番大きな出費はリフォームや内装費用で、シャンプー台や鏡などの設備も必要です。
予算内でお店作りをするため、自分なりのこだわりを整理しました。
〇初期費用はなるべく抑えたい
〇病気や障がいのある方に来ていただくためのお店にする
〇自宅の生活スペースとはできるだけ切り離したい
タイミング良く公的な補助金の対象事業に採択いただき、リフォーム費用の3分の1が補助されて大変助かりました。リフォーム費用300万円のうち100万円補助。
その他、大きめの看板8万円、中古の椅子(電動・シャンプーカット兼用)とシャンプー台が合わせて30万円ほどかかりました。
必要であれば、ホームページ、名刺、チラシなどの制作費用がかかりますが、これらはひとまず自分で最低限だけ作成し、その後必要に応じて少しずつ整えていきました。
リフォーム
リフォーム前のダイニングから和室(サロンに改装予定)を見たところ。
この間には壁を設置して、生活スペースとサロンスペースをしっかり区切ることにしました。
和室の壁や床を取り壊し。
サロンは車いすでも入れるバリアフリー店舗とするため、床を下げ、道路からほぼ段差なしにしました。
バリアフリーのトイレをサロン内に設置することにしました。
お客様用トイレは自宅と共用にすることも可能ですが、サロンスペースを自宅から独立させたかったこと、車いすの方にも安心してご来店いただくためにこだわりました。
大きな鏡を壁面に設置しました。
予算を抑えるためにはもう少し小さなサイズを勧められましたが、車いすに座ったままカットができるよう、このサイズにこだわりました。
予算を抑えるため、椅子とシャンプー台は中古品を利用することにしました。
完成
工事が始まってから3週間ほどでお店が完成しました。
工事が完了してから保健所に届け出を出し、問題なくオープンすることができました。
補助金を受けていたので、その締切に間に合うようにスケジュールを管理しました。
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